「PLAY WORK 」仕事と遊びが混在するワークスタイル

「PLAY WORK」(遊ぶように働く)

 この言葉から、あなたはどのような働き方をイメージしますか。

 「PLAY WORK」は、私が経営するコンサルティング会社、プロノイア・グループの文化スローガンの一つです。

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 仕事と遊びの境界線があいまいで、仕事しているのか遊んでいるのかわからない状況。それがPLAY WORKです。仕事と遊びが混在しているからこそ、自由な発想や創造性を発揮することができて、仕事で価値を生み出すことができる。そんな働き方を私たちは体現しています

PLAYWORKは「自己実現」と大きく関わってきます。

日本人は“遊び下手”と言われます。休みの日に一日ダラダラして過ごしたり、せっかく定時に帰宅してもテレビやネットを観て消化するような人は多いのではないでしょうか。

なぜそうなってしまうかというと、働くことを一番の目的に置いているからです。

本来は「自分が何を実現したいか」を明確にし、それを実現するための手段として仕事を捉えるべきではないでしょうか。そうすれば、次第にオンとオフの境目がなくなり、自然と遊び上手、働き上手になっていきます。

したがって、遊ぶように働くためには、まず自分とは何者か、何を実現したいかを自分に問う必要があります。自己認識がベースにあって、「自分らしく働く」ことが可能になるからです。

ただし、「自分らしく働く」ことは、自分ひとりだけでは成し遂げられません。自分らしく働くための環境も同時に整える必要があります。

そこで、プロノイア・グループは「心理的安全性」のある組織作りを推進し続けています。おかげさまで、私たちの活動に共感・賛同してくれる日本企業は増え続けており、多くのビジネスパーソンがPLAY WORKを実践しています。

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そもそも、私たちがプロノイアを作ろうと思ったきっかけも、誰もが自己実現できる世界を作りたかったから。そのために、会社を「枠」ではなく「軸」として働けるような組織を増やすことが必要不可欠でした。

「枠」というのは、文字通り組織の一員として属し、仕事をすることです。日本の伝統的な働き方ですね。これでは個の能力が十分に発揮されません。

一方、会社を「軸」として捉えると、雇用形態関係なく、正社員、インターン、ボランティアなどフラットに意見を言い合い、副業(複業)などを通じて社内外で自分らしい働き方を追求できる。つまり、一人ひとりが「タレント」として社会に価値をもたらせる働き方が可能になります。

働く意味や、働き方は十人十色。大切なのは自分の情熱や、自分にしか出せない価値を見出し、それを育くむこと。そうした人材はいずれ、組織に大きなリソースをもたらします。個々の能力と才能が集まった結果、組織としてのパワーは一層高まるでしょう。PLAYWORKを通じて、こうした個と組織の好循環を生み出したいと思うのです。

なぜ今、PLAY WORKなのか

では、従来の働き方を見直し、PLAY WORKを実践すべきだと私が考える理由を、3つのキーワードを使って説明しましょう。

1.「働き方改革」だけでは不十分

政府主導で進められてきた「働き方改革」は、労働時間の削減が主目的です。長時間労働は改善されますが、「働くのが嫌」「仕事が面白くない」と仕事を苦痛に感じている人が多いこと自体の解決には全くもってなりません。その結果、過度なストレスで疲れが溜まり、せっかくの休日も寝て終わりという人も多いでしょう。これではビジネスパーソンとしての成長は望めないでしょう。

まずは、ビジネスパーソンが「仕事は楽しい」と感じ、生き生きと働けるようにワークスタイルを変えることが先決だと考えます。

2.「人生100年時代」、今のままではお先真っ暗

定年を迎えれば嫌な仕事からも解放され、趣味やボランティア活動など自分のやりたいことで第二の人生を謳歌することができたのは過去のこと。これからは、定年という概念が薄れ、元気なうちは働き続けることが一般的になっていきます。そうなったとき、多くの人は、仕事がつまらない」と文句を言いながら生涯を終えることになります。これではビジネスパーソンとしての成長は望めないでしょう。

人生100年時代、「働くこと」は「生きること」と限りなく重なり合っていきます。充実した人生を送るためには、一人ひとりが自分のワークスタイルを見直す必要があります。「働く=暇つぶし、つらいこと」から解放されるべきでしょう。

3.「AI」に仕事を奪われるなら、人間は何をすればいい?

定型業務を中心に多くの仕事がAIによって自動化されれば、人間は何の仕事をすればいいのか不安に感じている人も多いことでしょう。ですが、見方を変えれば、AIの登場は私たちにとっては朗報です。つまらない仕事や嫌な仕事を、AIが代わりに引き受けてくれるのです。人間はもっと自由にやりたいことを仕事にすればいいのです。

これらの問題提起に対する答えが、PLAY WORKなのです。

こうした背景があり、今後、PLAYWORKは働き方改革の主流になるだろうと確信しています。

PLAY WORKからはほど遠い現在の日本の職場

ところが、日本の職場を見ると、PLAY WORKとはかけ離れた現状があります。

これから紹介するのは実際にあった話です。私の知り合いは大学で外国語を専攻し、語学が堪能です。将来は海外で働くことを希望し、海外事業を展開する日系金融会社に就職しました。

ところが、入社後に配属されたのは経理部でした。あいにくその男性は数字が苦手。上司からは「数字が苦手ならもっと経理を勉強しなさい」とプレッシャーをかけられて、とてもつらい思いをしたそうです。2年目には会社を辞めてしまいました。こうした事例は日本では決して珍しくありません。

この男性は会社を辞める選択をしましたが、一方で「この仕事は嫌だ」と思いながらも、辞める勇気がもてずにその職場に居続ける人もいます。周りの目を気にして転職に踏み切れなかったり、安定した職を手放すのをためらったりして、我慢を続けてしまうのです。むしろ後者のほうが多いかもしれません。

興味のない仕事や不向きな仕事に配属され、そのために苦労を強いられていることに気づいたら、選択肢は2つあります。

1.その仕事に夢中になることはできるのか、工夫してみる

2.環境を変える、仕事を変える

1とは、仕事のプロセスを楽しめるように工夫することです。仕事のプロセスに楽しさを感じることができれば、その仕事自体も楽しめるようになることがあります。

1をトライしてみたものの、仕事を楽しむ方法を見出せなかった場合には、2の「仕事や職場そのものを変える」選択肢が有効です。自分がやりたい仕事に就けるように、社内で異動希望を出す、転職する、あるいは雇用体系も変えて起業や独立の道も検討してみることをおすすめします。

PLAY WORKに必要な4つのステップ

1と2のどちらを選択するにせよ、「どんな仕事や職場なら自分は楽しく働けるのか」「自分に合った仕事の楽しみ方とは何か」を知り、楽しく仕事ができる環境を自ら作り出していかなければなりません。

そこで必要なのが、次の4つのステップです。

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1.自己認識(Self-awareness)―自分のことを深く理解する

2.自己開示(Self-disclosure)―自分のことを周囲の人たちに開示する

3.自己表現(Self-expression)―他者や社会に対して価値を提供していく

4.自己実現(Self-realization)―自分にしかできないことを実現する

具体的には、自己認識、自己開示、自己表現のステップを経て、自己実現に至ります。

PLAY WORKに必要な4つのステップを「PLAY WORK プレイ・ワーク 仕事の生産性がグングン高まる「遊びながら働く」方法」(PHP)で詳しく解説しています。皆さんにPLAY WORKを具体的にイメージしていただけるよう、弊社で実践しているPLAY WORKの事例もたくさん掲載しました。きっと楽しみながら読んでいただけるのではないかと思います。そしていつのまにか、あなたもPLAYWORKを実践しているはずです。

自己実現ができている人は、楽しみながら仕事ができるだけでなく、その仕事で他者や社会に貢献できているという充実感があります。周りから感謝されたり評価されたりして、「自分はできる」という自信もみなぎっています(自己効力感)。「自己実現」の状態を目指すのが、本書のゴールです。

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意識したのは、「個人の視点」です。できるだけ個人の働き方にフォーカスし、個人で取り組めるPLAY WORKのコツや手法をふんだんに紹介しています。ぜひ普段の仕事で実践してみてください。

また、これからの組織はピラミッド型からフラット型に変わっていくので、スタッフであろうとチームリーダーであろうと、ポジションに関係なく主体的にチームへ働きかけ、働く環境を整えていくことも重要になってきます。周りの人たちを巻き込みながら、楽しく働ける環境をつくる方法も紹介しています。

ピョートル ・フェリクス・グジバチ

Twitter/Facebook: @piotrgrzywacz

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